温泉の良さとみんなができること

温泉に入るだけでエコかもしれないこと、みなさんはご存知でしたか?
通常、家でお風呂に入る時、そのシャワーや浴槽のお湯張りには水道やガスといったエネルギーが使用され、一人あたり年間で170kgのCO2を排出していることがわかっています。
その一方で、ガスなどによる再加熱を行っていない温泉を利用した場合、一人あたり年間でわずか0.8kgのCO2しか排出せず、家でお風呂に入る場合と比べて、CO2の排出量を約99.9%も削減することができます。
”お風呂に入る”という多くの人が毎日行い、生活に欠かせない行動だからこそ、より環境に良い行いにできたら大きな違いを生む可能性があります。
そこで今回はお風呂に関連する3つの「わたしたちができること」を提案してみました。
①シャワーの利用は少量に
シャワーには水道はもちろん、その温度を保つためにガスが使われています。資源を無駄にしないために、頭や体を洗う時以外はこまめに水を止めるなど、節水を心がけましょう。
②不要な追い焚きは控える
お湯を入れるときだけでなく、浴槽のお湯を温め直す「追い焚き」にもガスや電気を消費します。他の家族がお風呂からあがったら時間をあけずに入る、しばらく誰も入らないなら自動保温機能はオフにするなど意識できると良いです。
③源泉掛け流しを選ぶ
温泉が地上に湧き出すところを源泉と呼び、その水温を源泉温度と言います。源泉温度は温泉施設が掲示を義務付けられている「温泉分析書」に「泉温」として書かれており、泉温が提供される湯船の水温よりも高ければ、ガス加熱なしでお湯を提供していることになり、非常にエコな温泉だということがわかります。
ぜひ温泉を利用する際は、「泉温」にも注目してみてください!
参考文献:
「テレワークと温泉熱利用による環境負荷低減効果の検証:鳴子地域のケーススタディ」
鈴木杏奈 *・長谷川諒 *・稗貫峻一 **・窪田ひろみ ***・伊藤高敏 *
日本地熱学会誌第44巻第3号(2022)111頁〜122頁
東北大学流体科学研究所自然構造デザイン研究分野
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