地熱資源の豊富な地域では人口減少が続く…しかし地熱には発電や温泉以外にも様々な用途があってそれを活用しないのはもったいない!
地熱エネルギーポテンシャルは北海道や東北、北信越、九州などに多く存在しています。一方で、日本の人口は1975年以降首都圏を含む大都市に一極集中しており、地熱資源の豊富なそれらの地域は、人口減少の一途を辿っています。
地熱資源はよく知られている地熱発電、温泉はもちろんのこと、暖房や給湯、融雪、ほかにも産業面では乾燥や加工、製紙などさまざまな用途に活用することができ、普段は電気やガスなどのエネルギー源によって賄われている活動を地熱エネルギーによって補う、つまり発電過程やガスの燃焼による二酸化炭素の排出量を削減する可能性を秘めています。
実際、アイスランドの首都では地熱地帯から家庭に熱水が供給されており、国全体の暖房に使われるエネルギーの約9割を地熱資源で賄っているという実例も存在します。
コロナ禍を経て、会社以外の場所で働く「リモートワーク/テレワーク」やワーケーション、地方移住への注目が急上昇しました。
地熱資源の豊富な地方に滞在・居住し、温泉や温泉熱による空調を用いる人が増えることで、地域経済・社会を活性化することができるだけでなく、地球温暖化問題にも貢献できるかもしれません。
参考文献:
「テレワークと温泉熱利用による環境負荷低減効果の検証:鳴子地域のケーススタディ」
鈴木杏奈 *・長谷川諒 *・稗貫峻一 **・窪田ひろみ ***・伊藤高敏 *
日本地熱学会誌第44巻第3号(2022)111頁〜122頁
東北大学流体科学研究所自然構造デザイン研究分野
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